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2026年8月13日木曜日

田中正義はなぜ打たれる?「良い時と悪い時の差」はどこに――データが示す不振の正体と復活のカギ

DATA ANALYSIS

田中正義はなぜ打たれる?
「良い時と悪い時の差」はどこに
――データが示す不振の正体と復活のカギ

8月12日の西武戦、田中正義投手は2点リードの7回に登板したものの、1アウトも取れずに3安打2失点(その後島本投手が本塁打を打たれたため4失点に。田中投手の自責点は2)を喫して降板し、そのまま敗戦投手となりました。日本ハムの勝ちパターンの一人として今季も投げてきた右腕ですが、7月・8月にかけて防御率を大きく落としています(7月6.75、8月18.00)。

しかし、過去2年間(2024年・2025年)の投球データと今季を照らし合わせ、さらに全登板の詳細記録まで遡ってみると、単純な「調子が悪い」では片付けられない、興味深い実態が浮かび上がってきます。

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球そのものは、そう簡単には落ちていません

まずストレートの平均球速を比較してみましょう。

2024年
150.8km
2025年
150.6km
2026年
151.2km

球速は落ちていません。むしろ今季の方が速いくらいです。

奪三振率(K/9)も2024年8.52→2025年9.06→2026年9.09とほぼ横ばい〜微増。四球率(BB/9)は2024年3.08→2025年2.45→2026年1.87で、今季がもっとも制球は安定しています。少なくとも「四球で自滅している」わけではありません。

「投げている球」そのものの質を数字で見る限り、田中正義投手本来の力が失われているようには見えません。


では、何が変わったのでしょうか

違いは明確に2つあります。

1つ目は、ストレートの比率が減り、空振りが取れなくなっていること。

ストレート比率:2024年77.5%→2025年67.7%→2026年62.6%
ストレートの空振り率(Whiff%):2024年21.6%→2025年18.2%→2026年13.6%

球速は落ちていないのに、ストレートで空振りを奪えなくなっています。フォークやスライダーで組み立てる比重が増えている一方、勝負球であるはずのストレートの「キレ」が数字上は見劣りするようになってきました。

2つ目は、走者を溜めると打たれる傾向が強まっていること。

被打率は2024年.189→2025年.209→2026年.208とほぼ横ばいですが、残塁率(LOB%)は2024年82.3%→2025年91.5%→2026年59.0%と、今季だけ突出して低くなっています。四球で崩れているのではなく、ピンチになった場面で踏ん張れず、そのまま失点に直結してしまっているのです。

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「良い時」と「悪い時」の落差が激しい

全登板データを月別に見ると、その振れ幅の大きさがよくわかります。

月別ホールド数の推移
4月
6
5月
4
6月
7
7月
0
8月
1
※8月は13日時点。ホールド(H)数で集計
登板
4月8600
5月9402
6月9700
7月8011
8月(13日時点)2101

6月は交流戦を含めて9登板でホールド7、まさに勝ちパターンの中心として盤石の投球を続けていました。ところが7月は8登板でホールドがゼロ。この落差はチーム内でも際立っています。

さらに1試合ごとの成績を確認すると、今季36登板のうち自責点2以上を許した「崩れた登板」はわずか4試合しかありません。逆に無失点で終えた登板は27試合(75%)にのぼります。つまり田中正義投手は「じわじわ調子を落としている」のではなく、ごく一部の登板で一気に大量失点し、その数試合が月間防御率を大きく押し上げているというのが実態に近いといえます。

中でも日本ハムにとって天敵となっているソフトバンクには、田中正義投手も3度、痛い目に遭っています(上記に加え、5/24に敗戦投手に)。

仮説:夏場の疲労と、以前から言われる精神的なもろさ

ここからは推測になります。

疲労の蓄積
救援投手は、毎試合いつ投げてもいいように準備をしています。特に勝ちパターンの投手は、常に緊迫感の中での登板となるだけに、登板数以上の疲労がたまっていると思われます。そのため、目に見えにくい形での球のキレの低下――ストレートの空振り率が落ち続けている事実――が、疲労のもう一つの現れ方なのかもしれません。

精神的なもろさ
一度打たれる、あるいは一度ピンチを迎えると、そこから連鎖的に大量失点してしまう――残塁率の激減や、ごく少数の登板に失点が集中している傾向は、まさにその一面を映しているように見えます。メンタル面で課題があるといわれても仕方がないところが、数字に現れてしまっています。

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再び圧倒的な“正義執行”が見たい!

きょう8/13には、登録が抹消されてしまいました。しかし、球質そのものが崩壊しているとは思えません。球速も制球力も、大きく落ち込んではいません。だとすれば、何かひとつきっかけをつかめれば、この不振は乗り越えられるはずです。

田中正義投手はドラフト1位でプロ入りしながら、度重なる怪我、そしてトレードという苦しい時期を経験し、それでもここまで這い上がってきた投手です。優勝争いのかかる後半戦、絶対に必要な戦力であることに変わりはありません。この経験を糧に、もう一度、あのキレキレのストレートを蘇らせ、圧倒的な投球で“正義執行”する姿を取り戻すしてほしいと思います。

頑張れ、ジャスティス!

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