優勝争いに向けて何が必要か
〜後半戦展望〜
これまで4回にわたり、日本ハムの前半戦を数字とともに振り返ってきました。最終回となる今回は、新庄剛志監督の言葉も交えながら、後半戦の展望をまとめます。
前半戦の軌跡:苦しい船出から勝率.762の6月へ
前半戦(3月〜7月)の月別勝敗数
96試合を終えて貯金12、新庄監督「ソフトバンクさんに追いつく、それしか考えていない」
96試合を消化した時点で54勝42敗・貯金12・パ・リーグ3位。新庄監督は前半戦をこう総括しています。
開幕ダッシュ・首位独走を目標に掲げていたチームにとって、3位という結果は本人も認める通り「想像とは違う」ものでした。しかし残り47試合、首位とのゲーム差は6。逆襲は十分に可能な射程圏内です。
最大の関門は「対ソフトバンク2勝12敗」という天敵の壁
このシリーズを通じて何度も触れてきた通り、日本ハムは前半戦、首位ソフトバンクに大きく負け越しました。
| チーム | 打率 | 得点 | 全体防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ソフトバンク | .254 | 440 | 3.09 | 3.71 | 2.10 |
| 日本ハム | .255 | 394 | 3.31 | 3.24 | 3.45 |
開幕3連戦の3タテに始まり、ほぼ一方的にやられ続けてきたのが実情です。新庄監督もこの点を明確に課題として挙げています。
新庄監督の分析によると、「1点を取りにいく野球」の差が、現在の順位の差に現れていると考えているように思います。
しかし、直接対決の結果をデータで見ると、52得点に対し失点が102、防御率が6.90と圧倒的に打たれていることが一目で分かります。対戦打率は.258とチーム全体の打率とほぼ同じですので、半端ない打ち込まれ方です。
データで比較してみるとチーム打率がほぼ互角にもかかわらず、得点では50点近くソフトバンクが上回っており、対戦成績の差が、そのまま反映されている形です。
投手陣では、先発防御率は3.24で、ソフトバンクを上回っているにもかかわらず、救援防御率が1.3点以上も離されています。
後半戦の課題は何はともあれ、ソフトバンクとの直接対決をどう乗り切るかの一点にかかっているともいえるのではないでしょうか?
そのためにはソフトバンク打線に、日本ハム投手陣がどう挑むかです。全体的に与四死球の数が少なく、制球力があると分析しましたが、直接対決に限っていえば、14試合で61の四死球を数え、実に1試合あたり4個を超えています。打たれたことによって投手が逃げているのか、逃げの投球の結果打たれているのか? そこまでの分析はできませんでしたが、直接対決で攻めの投球ができるかどうかに注目したいと思います。
守備の乱れをどう修正するか
チーム失策61は2位西武の44を17も上回る、リーグ断トツの多さ。前半戦を通じて好投手陣の足を引っ張る場面も目立ちました。打撃を優先し不慣れな守備位置での起用が増えたことも一因とみられ、記録上は失策にカウントされない「隠れたエラー」も相当数あると考えられます。7月22日の西武戦での判断ミスのように、勝てる試合を守備で落とすケースをどれだけ減らせるかも、貯金を積み増すうえで欠かせないポイントです。
先発ローテーションの厚み、ブルペンの充実にも注目
投手陣は制球力の高さがリーグトップクラスである一方、有原航平投手・細野晴希投手・福島蓮投手・達孝太投手ら、前半戦に苦しんだ先発投手も少なくありませんでした。後半戦は、リリーフで安定感を見せた山﨑福也投手の先発本格復帰や、達孝太投手のローテーション復帰が実現するかが、防御率だけでなく先発の頭数という面でもチームの底上げにつながりそうです。
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ブルペンに目を向けると勝ちパターンの安定感(島本浩也投手、田中正義投手、柳川大晟投手ら)に比べ、早い回に登場するリリーフ陣の不調が目立ちました。上原健太投手、斎藤友貴哉投手、金村尚真投手、池田隆英投手、河野竜生投手ら実績のあるリリーフ陣が戻ってブルペンを充実させることができるかも注目点の一つです。
新戦力の台頭に期待
明るい材料もあります。7月22日に一軍昇格した有薗直輝選手は、26日の楽天戦でプロ初本塁打を含む3安打2打点の猛打賞を記録。「レイエス選手に見える」との評価も飛び出すなど、後半戦の新たな起爆剤として期待が高まっています。さらに7月27日のフレッシュオールスターゲームではエドポロ選手が活躍を見せ、若手の台頭を印象づけました。清宮幸太郎選手の完全復調と合わせ、新庄監督が掲げる「Wクリーンアップ構想」――3・4番だけでなく下位打線にももう一組の主軸を据える狙い――が形になれば、打線の厚みは一段と増すでしょう。
また、前半戦の終盤で粘りの投球を見せた生きのいい柴田獅子投手ら、若手投手陣の台頭も楽しみです。
まとめ:カギは「対ソフトバンク」と「守備の安定」
前半戦は「貯金できない苦しい船出」から「勝率.762の6月」まで、大きな浮き沈みのある戦いぶりでした。後半戦、新庄監督が掲げる「ソフトバンクに追いつく」という目標が現実味を帯びるかどうか、球宴明けの戦いから目が離せません。
(全5回シリーズ・完)
データ・コメント出典:2026年シーズン日本ハム公式戦試合データ、新庄剛志監督コメント(7/27配信各紙報道より)
【日本ハム前半戦総括①】貯金できない苦しい船出〜開幕〜4月を振り返る〜(2026.7.28)【日本ハム前半戦総括②】反撃の狼煙〜勝率.762の6月と交流戦9連勝〜(2026.7.29)【日本ハム前半戦総括③】誰が日本ハム打線を牽引したか 〜打撃成績を徹底分析〜(2026.7.29)【日本ハム前半戦総括④】先発・中継ぎ・抑えの現在地〜投手成績を徹底分析〜(2026.7.30)
データ出典:日本ハム打撃成績(7/27時点)
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